今使っているアナログプレーヤーは、ドフで買った DENON DP-1200 ですが、ヘッドシェル、カートリッジ共ついていませんでした。
アナログプレーヤーのことはよくわからなかったので、とりあえずMM式のカートリッジを買えばよいのと、同じDENONであればマッチングもいいだろうということで、後日、別のドフで見つけたのが DL-8 でした。
DENON純正のヘッドシェル付き。このカートリッジは1975年ころのDENONのレコードプレーヤーに標準装備されていたそうです。良く調べると針部分がJICOの互換針に交換されています。(純正品は”DENON”表記の部分が、“STEREO”表記となっていました。)
レコードの音
リファレンス盤というわけではないですが、いつもサブスクで聴いている ビルエヴァンス をLP盤で聴いてみます。
(当時の機材は DP-1200 → Marantz NR1200 → ワーフェデール diamond 220)
第一印象は「音が濃厚!」。
4Bくらいの濃いめの鉛筆で筆圧強めに書いているデッサンのような音です。「レコードって表現力あるなぁ」と思いました。
オルトフォンのMI型カートリッジ
DENONのカートリッジが標準品ということもあり、カートリッジを交換したい欲が湧きました。
手に入れたのは「VMS20E MkⅡ」というMMカートリッジ。1974年登場のVMS(MI)型の中級機を務めたシリーズで、1977年にリード線の取付方法と出力端子の位置を変更、接点の金メッキ化した「MKⅡ」として発売されていたものです。当時の価格がヘッドシェルなしで25,000円。
この時代まで残っていたということは大事に扱われてきたに違いなく、中級機といえどもオルトフォン、期待が膨らみます。
音楽の解像度が上がった
これまでのDENONのカートリッジと同じレコードをオルトフォンで再生してみます。
レコードの太く濃密な音の輪郭はそのままに、表現に繊細さが加わったように感じます。シンバルやピアノタッチの高音域や金属音に透明感が出て、明瞭に聞こえます。音楽の解像度が上がった感じ。
クラシック、特にオーケストラをレコードで再生しても、DENONのカートリッジでは音が団子状に聞こえ、あまり感動はありませんでしたが、このカートリッジで聴くと解像度が高いので各楽器の動きが生き生きと感じられます。オケの中の弦楽器の音に艶感があります。
同じ音源を聴いていて、いままで聞こえてこなかった音が聞こえる、という体験は最もわかりやすく、デバイスの違いで音が変わる、ということを実感する部分です。
カートリッジの交換は思った以上に音の印象が良い方向に変わりました。