レッスン15回目、無伴奏チェロ組曲編。
今回は(も)バッハを弾くためのノウハウがてんこ盛りのレッスンでした。
音楽修辞学
先生「バッハを弾く上で、2つの重要ポイントがあります。このポイントを抑えれば、バッハらしく聞こえます。」
① 強拍は強く。(弱拍が強くなることはない)
② 上昇音型は明るく、強く。下降音型は暗く、弱く。
②は「音楽修辞学」。レトリックの音楽版ですね。修辞学でいうフィグーラ(文の彩)は音楽では「表現する内容を聴き手に伝えるために用いる特別な音の使い方や音型のことを指す」そう。
この音楽におけるフィグーラがいくつかある中で、下記の2つは有名で”使える”フィグーラのようです。
アナバシス:上昇音型・・・明るい、勢いのある、愉しさ、生、大きく・・・
カタバシス:下降音型・・・暗い、落ち着いた、哀しさ、死、小さく・・・
バロックのトリルは「上から」
先生「バッハのトリルは”上から”取りましょう。」
バロックから古典派までは「上から」
ロマン派以降は「下から」
先生「さて、ここで問題です。ベートーヴェンの第九のトリルは?」
私 「下から!」
先生「正解。では、第3番は?」
私 「うーん...上から?ですか」
先生「残念!英雄のトリルも下からです。第3番は”ロマン派の扉を開いた”といわれます。」
こういう音楽理論やクラシックの常識?的な事をレッスンで知ることができるのは非常に愉しいです。
重音はどの音が重要か
チェロの重音は上の音は和音の第2音なので、下2つを十分響かせた上で上の音は添える感じで良い。例えば・・・
1小節目の重音:ソシレのシが第2音。
9小節目の重音:レファラのファが第2音。
楽譜の下2つの音が重要。
先生自らピアノを弾いての和音の説明はすごくわかりやすい。鍵盤楽器の音の響きを弦楽器でどう表現するか、が重音の弾き方のポイントなのでした。
レッスン忘備録
Menuet Ⅱ・・・修了
・響きがあってよく弾けています。
・4小節目、G /C線を弾くときの右腕、適正な位置で。
・特にC線を弾く腕の位置に注意。手首で弾かないように。
・音量が出過ぎないよう、アナバシス/カタバシスを意識して。
Sarabande
・最初の重音、GーdurのHは低め。
・1小節目のアップボウ、C → H のHを歌い切れるようボウイングに余裕をもって。
・これもアナバシス/カタバシスを意識して。
次回
Sarabande
・重音もボウイングは脱力を意識する。余計な力が入ると響きが悪くなります。
Gigue
・次回はジーグも弾いてみましょう。