二代目片岡秀太郎丈の訃報。
昨年、二月大歌舞伎の「菅原伝授手習鑑」を観ました。
秀太郎丈のお役は、菅丞相の妻「園生の前」。
「筆法伝授」の場面、一度勘当した武部源蔵夫婦へかける慈愛の機微が印象的でした。
片岡仁左衛門丈の芝居を観る機会が多く、要所に光る秀太郎さんの芸、あの独特の語り口は、松嶋屋にはなくてはならない名女方であったと感じます。
まだまだ舞台でお見かけできると思っていただけに残念です。
ある時テレビ番組で拝見したインタビュー映像の秀太郎丈は、たいへん小柄で洒落なおじいちゃん、といった風情と語り口が瀟洒で優しい風貌と相まって印象に残っています。
ご冥福をお祈りいたします。