モトアザブ退屈日記

日々のモノ・コト・忘備録。クルマ、時計、オーディオとか骨董とか。

「恋人よ」以前の五輪真弓を聴く

「まだまだ世の中、知らないことがたくさんある」と思うことが未だに多くあります。

50年近く生きてきて「寡聞にして知らないこと」ばかり。

無知の恥ずかしさにも慣れ(というか鈍感になった)、最近は純粋に新鮮な驚きがあります。

 

「冬ざれた街(LIVE)」

デビューから2年後に発売された五輪真弓の初ライブの録音。

1974年(昭和49年)。ライブの録音は1973年(昭和48年)、渋谷の伝説的な小劇場「ジァンジァン」にて。

 

なんというか、当時20歳そこそこの五輪真弓の仕上がりっぷりが凄い。

大げさな言い方をすると「歌声に震える」ほどに感動したのです。

 

f:id:KOICHIROH:20210524173116j:image

 

自分たちの世代は1979年の「恋人よ」で五輪真弓を知った世代なので、一部では「早すぎた渋谷系少女」と言われる、”デビュー当時の五輪真弓の凄さ”を知らなかったのです。

 

このライブ、今見ると錚々たるメンバーをバックに従えています。

 

Drums:村上“ポンタ”秀一

Acoustic Guitar:石川 鷹彦

Electric Guitar:大村 憲司

Bass:高水 健司“大仏さん”

P/Keyboard:深町 純

Saxophone:村岡 健

 

大村さんも深町さんもポンタさんも故人になられたが、今やレジェンド級、当時でも第一線のミュージシャンが参加しています。

この演奏がまた素晴らしい。

(ちなみに今回調べて知ったのは、左とん平の「ヘイ・ユウ・ブルース」の間奏も村岡健のサックスだったということ。あの間奏の”泣きのサックス”は痺れます。)

 

ライブ録音の音の近さやリアリティ、力強さ。歌や演奏の息遣いとか、観客の反応、五輪真弓の意外に軽妙なMCがライブのリアリティを高めます。

 

 

伝説的なデビューアルバム「五輪真弓/少女」

五輪真弓はデビューからして伝説的でした。

デビューアルバム「五輪真弓/少女」のレコーディングはLA(クリスタル・サウンド・スタジオ)。アーティストの海外レコーディングの嚆矢です。

「デモテープに感銘したキャロル・キングがレコーディングに参加」という逸話は有名です。

 

Producer/Engineering:ジョン・フィッシュバッハ

Pf:キャロル・キング

Bass:チャールズ・ラーキー

Arrangement:デビット・キャンベル

 

今聴いても全く古く感じない曲の数々。

圧倒的な歌唱と演奏はタイムレスな魅力があります。

このディスクも録音が素晴らしいです。山下達郎がよくラジオでいう「音圧の高い」録音です。低音が分厚く、音域の上から下までしっかり入っている。

 

これがデビューアルバムとは、五輪真弓、恐るべしです。

 

「恋人よ」以前の五輪真弓の素晴らしい楽曲と歌唱の数々について、いままで知らなかった自分をおおいに恥じるのでした。

 

f:id:KOICHIROH:20210524173148j:image