音源の根本をなるべく劣化させない形式で音楽を出力すべき、ということを考えていた。Bluetooth接続は音が悪い、という評判は聞いていた。圧縮音源をさらに圧縮して伝送している、ワイヤレスイヤホン用の接続だから音質は知れている…等。
そこで見つけたのがこのM-CR611。ネットワークCDレシーバーというカテゴリーだ。
ネットワーク音源を機器側で受けて、デジタル→アナログへ変換、アンプ機能を通してスピーカーを鳴らせるだけの電気信号へ増幅する。ここで重要なのはネットワーク音源を「機器側で受ける」際に、LANやWi-Fiで直接ネットワーク接続できる、というところ。Bluetoothのように音楽を圧縮して飛ばす、ということではなく、配信先から音楽を引き出すところを機器側が担っているということだ。そして、デジタル・アナログ変換や増幅の回路をオーディオ的に非常に凝っているのがマランツのこの機種だった。いわゆるオーディオ用の回路構成、部品を奢って音をよくしている、と。
このサイズのアンプでは唯一、バイアンプを搭載している。よって、バイワイヤリング対応のスピーカーへ接続すれば、さらなる高音質を実現できる。
中華アンプのBluetooth接続で聴いていた音は、機種を変えたことで全く別物に変わった。スピーカーの出す音が明瞭になり、各楽器の鳴り方の違いが分かるようになった。これまでバックロードホーン+中華アンプの音が「団子状」で視界に靄がかかったような聞こえ方だったのが、非常に見晴らしのいい、解像度の高い音楽になった。