ステレオフォニック!
マランツのAM/FMラジオチューナー。1975年製。
昔の人はこんな大きなチューナーでラジオ放送を聴いていたのですね。見た目からしていい音がしそうなチューナーです。
電源を入れるとブラックアウトされていた部分が光ります。この光り方がめちゃくちゃカッコいい。ワクワクするような光り方をします。
美しいマランツデザイン
Marantzのオーディオ機器の文法通り、左右対称のパネルデザイン。ブラックアウトされた部分にチューナーダイヤル、受信強度を表すS(Signal)メーターとチューニングの正確さを表すT(Tuning)メーター、チューナー表示部が配置されます。チューナーダイヤルは“ジャイロタッチチューニング”と呼ばれるマランツ独自のもの。
パネル下部には大きなダイヤルとプッシュボタンが左右対称に配置されています。
左側の大きなダイヤルは「ミューティングレベル」の切替え。チューニング時の雑音を除去する強さを調整できます。OFF-Low-Mid-Highの四段階。
右側の大きなダイヤルがボリュームダイヤル。
プッシュボタンは左側から「ドルビーFM」「FM」「AM」のモード切替のプッシュボタン。
右側のプッシュボタンは「電源」「モノラル」「ハイブレンド」の各スイッチになっている。
「ドルビーFM」はアメリカ国内で放送されていた、ドルビーエンコードされた放送をデコードし、ノイズを低減するための機能のようです。また、「ハイブレンド」は、弱電界でのステレオ受信時に多い高域ノイズをL/R.CHブレンドして聴感上のS/N比を改善する仕組み。「ハイブレンド」というネーミングが強烈に70年代を感じさせます。
濃厚で力強いカリフォルニアサウンド
ステレオフォニックチューナーとコントロールアンプが同時代のマランツで揃いました。濃厚で力強い70年代のカリフォルニアサウンドが再現できそうです。
いまModel 3300を入れているウッドキャビネットは本来、この機種のようなチューナー用だったと思われます。奥行含めて多分サイズピッタリ。でもオーディオ的にはコントロールアンプの方が「偉い」ので、ウッドキャビネットはそのままModel 3300を入れて鎮座いただきます。
TV同軸からアンテナ線を引き、セパレーターを介して300Ωフィーダー線をFMアンテナ端子に接続します。Model 3300のTuner入力端子へつなぎ出音。
ジャイロタッチチューニングは慣性力の大きなダイヤルを左右に回すのですが、独特の高級感のある感触です。Tメーターの針がセンターに来るように、繊細なチューニングができます。
ノイズもなく低音がしっかり出たメチャクチャいい音がします。音のパワー、生々しさや広がり。ラジオ放送であることを意識させないくらいクリアでリアリティのある音です。
今まで聴いていたFMの音とあきらかに違う!と感じです。
このチューナーを導入してからNHK-FMのクラシック音楽を聴くことが増えました。何より電波強度が強く、ライブ感をはじめ音場・音質が素晴らしい。
そして“最高の選曲と最高の音質”でおなじみ、「山下達郎のサンデーソングブック」。クルマで聴いたりradikoで聴いたり、「最高の音質」を享受できていなかったので、このチューナーを通じて"same time, same channel"を聴くのが非常に楽しみになりました。