ジャンク品を捕獲
何かしらの宣言が出ていたこの連休中、遠出もできないので市内のドフをあてもなく偵察していると、ジャンク品コーナーにSONYのカッコいいラジカセを発見しました。
テープデッキの操作レバー、トグルスイッチ、各種ボリュームノブが整然と並ぶオーディオ然とした顔つきのラジカセです。
かつての敬虔な”SONY教”信者としては素通りできません。
ACコードもなく、電池ケースの蓋も欠品です。しかしPOPには「動作確認済」とあったのでダメ元で1,100円で捕獲してきました。
見た目は”デンスケ”なステレオラジカセ
左側にカセットテープの格納・操作部、右側に円形のスピーカーという「ザ・ラジカセ」な構成が懐かしいですが、細部や機能部分のデザインにはラジカセ以上の高級感があります。
この機種は通常のラジカセとは違い横置き(据置き?)型です。側面に各種ダイヤルが配置されています。さらにL/R独立のVUメーター、ラジオチューナー表示部がアルミパネル上に配置されています。
スピーカー面にあるトグルスイッチはテープセレクター、ラジオ等のスイッチです。テープセレクターはノーマル(TypeⅠ)とフェリクローム(TypeⅢ)(!)が切り替えられます。さすがソニー、フェリクロームテープ開発者の矜持でしょうか。今となっては使いようのないセレクターですが、歴史の証言者のような誇らしい装備です。
全体のデザインは、側面を見せる据え置きを意図したデザインで、ちょっとしたステレオ装置のミニ版といった趣です。実際、当時もラジカセからステレオへのステップアップ需要を企図した製品だったようです。同サイズのプリメインアンプまであったようです。
カセットテープを再生したい
単一電池4本を入れ、カセットテープ操作部のレバーを動かしますがテープ部分は動きません。やっぱジャンクだったかー。
チューナー部は生きていました。FM/AM共感度良く受信します。L/RのVUメーターのR側はチューニングメーターになります。なにげに高性能。
35年選手だけあって結構汚れており、拭いたり磨いたりしているうちに「PAUSE」ボタンがあることに気づきました。「PAUSE」ボタンを押し込むとテープが再生されました。ボタンが押されたままになっており、一時停止状態だったようです。
ちなみに最初に再生したカセットテープはラベルのない SONY HF-ES46、高級ノーマルテープです。ダビングで録音したと思しき米米クラブ「TIME STOP」が流れてちょっとした感傷に浸りました。
早送り、巻戻しもOK、録音もできました。単体で鳴る音はスピーカー一発なので流石にチープな音ですが、なんだか懐かしい「ラジカセの音」で雰囲気があります。
ジャンク品でしたが致命的な故障はなかったようです。ラッキーでした。
オーディオシステムにラジカセを組み込む
このラジカセにはL/Rのライン出力・入力端子があります。早速ラジカセのライン出力端子とコントロールアンプのTAPE入力端子をつなぎます。
ジャンク品でしたが、しっかりカセットテープを再生でき、マランツのアンプを通してHiFiサウンドで聴くことができました。確かにヒスノイズはありますが、中音域が豊かな厚みのある音です。カセットテープってこんなに良い音だった?と驚きます。
また、ステレオチューナーをラジカセ側の入力端子につなぐことでライン録音ができます。空のカセットテープがいくつかあるので、懐かしの「エアチェック」、挑戦してみようと思います。